書評|英文法の鬼100則は英語嫌いな日本人の必読書

2019年11月に静かに発売された英文法書に、僕の心はひさびさに撃ち抜かれた。

よく言われるネイティブの英語脳というのは説明しようにも上手くできなかったのが本音だと思います。この本は英語脳を理屈で分かりやすく説明してくれるような、まさに新しい扉を開いてくれる英語指南書です。

英文法書はたくさん発売されていて、日本の英語教育にはないネイティブの感覚を理解できる本もいくつか出始めています。

そんな中、僕は断言できます。この「英文法の鬼100則」は英語学習なら必読書になるくらいのコンテンツ力を秘めていると。

というわけで、ここでは書評も踏まえて書いていきます。

目次と面白かった内容まとめ

目次はこんな感じです。ちなみに本は438ページ!もあります。英文法書としても十分すぎる内容です。普通は順番に読んでいくと飽きるんですが

第1章 英語の世界の3つの基本

第2章 動詞①文型:動詞を単語で捉えるな、文型で捕らえろ

第3章 動詞②時制:実は私たちは時間をこう捉えている

第4章 動詞③現在分詞:ingはここから考えよう

第5章 動詞④過去分詞:イメージから理解しよう

第6章 動詞⑤動詞の原形:その意味を考えたことがあるか?

第7章 動詞⑥仮定法:「実際はそうじゃないけど」

第8章 動詞⑦助動詞:それは事実なのか、思っているだけなのか?

第9章 名詞:動詞が「木」なら名詞は「木の実」

第10章 形容詞と副詞:「修飾する」の真実

第11章 前置詞:これが捉えられれば熟語を攻略できる

第12章 語順:語順自体が持つ「心理」を理解せよ

第13章 説得するための英語:「型」を作り英語で思考するトレーニング

 この中でも面白かった内容をいくつかピックアップしてみます。

鬼則① 英語は外から自分を見る感覚

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ここはどこ?を英語にしてくださいと言われたらどう言いますか?

普通は

Where is here?

という英語が和訳から浮かぶと思います。

これが英語になると、

Where am I?

となります。

 

日本語の場合、自分の目線から世界を見ているので「目のまえのここ」を表現することになります。

それが英語だと、もう一人の自分が地図の上から自分を探す感覚になります。

自分がどこにいるか分からない→地図の上で自分がどこにいるの?→Where am I??

となります。

なので、「道に迷う」は自分が消えるという意味でI am lost. と言います。

遠くから自分を客観的に見ている感覚が英語の表現方法なんですね。

ここまででもなるほどなんですが、さらに納得したのが「友達を作る」という表現です。

彼と友達になる、これを日本語的に考えると"I made a friend with him."です。ここでは、友達になるのは彼1人、その彼が自分の目の前にいる視点だと思います。

でもこれが英語だと不自然な表現になってしまうんです。

 

英語はさっき言ったように「遠くから客観的に自分を見てる感覚」なので、ここでは自分と彼の二人を別の自分が見ているのが英語的に自然な表現になります。

というわけで、"I made friends with him." と複数形になるわけです。

英文法の基本の鬼ポイントは、日本語は自分の目線、英語はもう一人の自分の目線から話すことです。

鬼則② 現在形は「いつもそうなんだよ形」過去形は「いまは違うんだよ形」

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現在形と過去形の捉え方も一発でわかります。

時制って時間をもとに考えてしまうことが多いです。1時間前だから過去形?3日前から続いているから現在完了形?など。

この本では時制は「場所」として捉えると驚くほど分かりやすくなるとあります。

現在形は今自分がいる「現実の」世界です。いわゆる繰り返される日常のことを言います。

現在形なので現在のことを言っていると思ってましたが天変地異ですね。現在ではなく「現実」を表すのが現在形なんです。

で、今はもう現実ではない場所が「過去形」であり、まだ現実になってないことが「未来形」なんです。

いつもそうなんだよという現在形と、いまは違うんだよという過去形

これ中学校のときの時制の授業で教えてほしかった。

鬼則③ 「させる形」の動詞

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ありますよね。 「〜させる」で覚える英単語。例えばsurpriseは「驚かせる」と覚えます。機械的に、記憶に叩き込みますね。

学校ではひっくり返して受け身にして「驚く」にしてね、と言われます。

なぜ「驚かせる」になるのか?ということは教わりません。

鬼100則の中ではこう紹介されています。

「ワン、ツー、スリー、はい、驚いて!」と言われて驚けますか?

興奮してみてください!

退屈してみてください!

満足してみてください!

ぜんぶキョトンとしてしまいます。それは「原因」がないからなんです。

原因があなたを驚かせる、興奮させる、退屈させる、満足させる。

つまり、その原因が人という対象を「〜させる」という意味で使われているんです。

The news surprises me. 「そのニュースは私を驚かせる」

The horse race excites us.「競馬のレースは私たちを興奮させる」

「原因」が人を〜させています。これが分かれば一発でさせる形のことが理解できちゃいます。

つまり、私は何かに「驚かされる」からI am surprised by 原因. という受け身にしなきゃいけないわけです。

面白いですよね。

鬼則④ canは「何も妨げるものがない」世界

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「できる」という理解にとどまっているcanも鬼100則ではこういう見方ができます。

canはそもそもの語源として「知っている」を意味しています。

「知っている」ということは「やり方を知っている」→「できる」という能力の意味が出てきます。

さらに「そう判断することが『できる』」→「あり得る」という可能性の意味も生まれています。

canのできるは「やろうと思えばできる」という感覚に近いです。ここで大切なのは実際にやってみてできたかどうかはどうでもいいということです。

例えば、友だちから何かを自慢されたときに「そのくらい余裕でできるし。」と言うことがあります。これは実際にはやってないけど、自分の気持ちの中ではできると思っている→心の中で思っている「できる」がまさにcanなんです。

有名なオバマ大統領の"Yes ,we can."もみんなの心に「私たちならできるぜ(妨げられるものなんてない、そう、気持ち的にね)」と呼びかけていたんですね。

鬼則⑤ 可算名詞と不可算名詞は5歳以上の人類なら理解可能な文法

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数えられる名詞数えられない名詞、ほとんどの人が丸暗記して覚えたと思います。

例えばパンは数えられないもの、ペンは数えられるものです。でもそれってなぜか説明できますか?結構むずかしいですよね。

鬼100則では人は2種類のモノの見方をしていると説明しています。

  • 「形」としてモノを認識する
  • 「性質・材質」としてモノを認識する

形として認識する。例えば、目の前に机があるとしてその机をチェーンソーでバラバラにします。

その破片を「机」と呼びますか?たぶん呼ばないと思います。

棒とか板とかガラクタと呼ぶんじゃないかと思います。

人はモノを「形」で認識し、分類しています。これは1個の数えられる名詞として扱われます。

じゃあ、逆に氷はどうでしょう?

氷はいくら砕いても氷です。これは「性質・材質」として認識しているからなんです。これは数えられない名詞となります。

つまり、バラバラにしたときに同じモノとして呼べれば「数えられない名詞

バラバラにしたときにもはや別のモノになってしまうのが「数えられる名詞」となります。

この基本さえあれば、ほぼ数える名詞と数えられない名詞はマスターしたも同然です。

鬼則⑥ 「他のじゃなくて」という形容詞

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学校で習う「形容詞の限定用法」について説明していきます。

はい、この時点でもう英語ムリとなった人もいることでしょう。

そもそも形容詞って修飾するために使われます。じゃあ修飾するってどういうことか?それは「様子を説明する」ということです。

名詞の様子を説明するのが形容詞

これ、詳しく見ていきましょう。

 

例えば「机」があります。これがどんな机(名詞)なのかを説明するときに形容詞を使います。

古い机="an old desk"

木でできた机="a desk made of wood"

英語は軽い情報は前、重い情報は後ろという原則があります。oldの一単語だけだと軽いので前に、2単語以上だと重たくなるので後ろにくっつきます。

この形容詞を使うとその机がどんなものかが特定されますよね?つまり机という広く一般的なものからある特定の机に限定されるということです。

他のじゃなくてこの…と限定されるので限定用法と言うわけですね。めちゃくちゃ簡単ですよね。

鬼則⑦ inは「枠内」と捉えよう

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「〜の中」という和訳が一般的ですが、ネイティブの考えだと枠の中になります。

例えばinとatを比べてみましょう。

at the station

in the station

atは一点を表すので、いろいろある地点のうちの一つという移動しているイメージがあります。

一方、inは枠の中なのでその駅の中(枠内)におさまっているイメージです。inを使うと駅の中=外には出ない、移動しない、こもる、という感覚が生まれます。

 

例えば、友だちに電話をかけたとして、「いま駅の中にいるんだけど(ここで立ち止まってる、駅の枠内にいる)」を伝えたいならin

「いま駅の中にいるんだけど(動いてる途中で)」を伝えたいならat

という感じでしょうか。伝えたい「気持ち」で使う表現、見てる世界が違うのが分かるかと思います。

 

これは場所に限ったことではなく、

We speak in English.

この場合は、たくさんある言語の中でも英語という枠の中で話をします、というニュアンスになります。 

前置詞もイメージ感覚で理解すれば、英語を使ってどんなイメージが膨らんでいるのかがわかってきますね。

英文法の鬼100則でネイティブのことを「理屈」で理解しよう

よく言われる英語脳とかネイティブと同じように、という言葉にはどうしても「感覚的」なものとして語られます。それって分かる人にはなんとなくわかる、それだけのものでした。

この本のポイントはまさにそのネイティブの英語脳を理屈っぽく説明してくれたことに尽きます。

英文法の鬼100則のおすすめポイント

ネイティブがどう英語を使っているかが分かる

英文法を通して見える世界が変わる

英語の表現の違いについてストンと腑に落ちる

丸暗記せずに文法がわかる

感覚的に英語をイメージで使えるようになる

おそらく本の宣伝以上にストレートですが、英語を学んでいる人なら絶対に買って損はない文法書です。冗談抜きにマジです(笑)というか安いくらいの知識が400ページ以上に渡って詰まりまくっています。

いままさに英語を学んでいる人も、これから始める人も、日本人として上級者の英語力を持っている人も必ず面白い発見があるはずです。

ぜひチェックしてみてください。

それから著者の時吉秀弥さんについて調べていたんですが、英語のパーソナルジム ENGLISH COMPANYの教材開発シニアリサーチャーとして勤務されているそうです。

ENGLISH COMPANYはこのブログでも取材記事をいくつも書いており、こんなところに繋がりがあったことにびっくりしました。この方がコンテンツ開発しているということは、やはりクオリティの高い英語学習なんだろうなと改めて思います。

記事も書いているので、気になる方は合わせて読んでみてください↓↓

 

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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